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信大、東芝などがキノコ培地で絶縁材料 石油資源節約へ 9月10日(木)

キノコ廃培地から取り出した成分(右上)を使って試作した受変電設備用の絶縁部材(ベージュ色の部分)

 信大工学部(長野市)と東芝(東京)などの研究グループは、キノコを収穫した後の廃培地から取り出した成分を樹脂に混ぜて、ビルや工場の受変電設備に欠かせない絶縁部材を作る技術を開発した。成分は最大で60%(重量ベース)まで樹脂に混ぜられるため、石油由来の樹脂の使用量を減らし、石油資源を節約できる。県内のキノコ生産量は全国一で、同グループは地域のバイオマス(生物資源)を有効活用する新技術として実用化を目指す。

 廃培地から取り出すのは、リグノセルロースと呼ばれる成分。泥状にした廃培地を高温高圧で水と反応させ、水溶性の成分を取り除いて精製する。実験で、樹脂との複合材が数万ボルトの高電圧にも耐えられる絶縁性を持つことを確認。高電圧への耐久性や強度も、樹脂だけの絶縁部材の同等以上だった。

 研究グループによると、リグノセルロースは、稲わらなどの農業から出る廃棄物からも抽出可能。樹脂と複合した絶縁部材は、受変電設備から電気を外部に逃がさないためのバリアーになる成形品などとしても応用できる。

 実用化に向けては、リグノセルロースを取り出す装置の大型化が課題になる。研究グループが現在使用している装置試作機が1日に処理できる乾燥廃培地は数十キロ。同グループは実用化に向け、試作機の100倍程度の処理能力を持つ大型装置を設計・開発中で、東芝の担当者は「長期間の使用に耐える信頼性を慎重に検証した上で実用化したい」と説明する。

 現在は樹脂だけで絶縁部材を作るより割高でコスト削減も課題になるが、研究グループ代表の天野良彦・信大工学部教授は「ある程度まとまった量を供給することでコストを抑えたい」としている。

 天野教授は「バイオマス利用の成功例になるようできるだけ早期に実用化し、新産業の創出と地球温暖化防止に貢献したい」としている。

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